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Recirculation)クーラおよびCGRファンから構成され純酸素燃焼による加熱を防止するために燃焼ガスを燃焼系統中に再循環させるためのCGR装置、冷却水クーラおよび冷却海水ポンプから構成される冷却装置、さらには排気凝縮器および排出ポンプからなる排ガス排出装置からなる。
(システムの特徴)
本システムの特徴は、排気ガスの主成分であるCO2ガスの常温凝縮圧力が5〜7MPaである点に着目し、排気ガス圧力をこのレベルまで高圧化し、排気凝縮器において冷却水との熱交換により液化させた排ガスを、排出ポンプによって系外に液体排出する点にある。さらに、排気ガスをCO2ガスの常温凝縮圧力まで昇圧させるための手段として圧縮機等の補機類は一切使用せず、補機動力を削減するために外燃式の利点を生かし機関本体付属の燃焼器内燃焼圧力自体の高圧化を図ることも特徴として上げられる。液体排出の利点としては、排気ガスをガス状態のまま周囲海水圧力以上に加圧する必要があるため大深度ほど排ガス排出所要動力が増大するといった点を改善できることである。
この結果、高圧燃焼・排ガス液化排出型海中動力源を採用することにより、深度によらず極めて小さい動力で排気ガス処理が行え、大深度まで動力源システムの正味出力が著しく低下することなく、高システム効率を保つことができる。したがって、機関本体はもちろん、補機等システム構成要素の小型化が可能となり、小型・軽量型海中動力源システムの実現が期待できる。
この期待効果をもくろみ、その要素技術である機関本体技術、高圧燃焼技術、排ガス凝縮技術および海中排出技術を確立し、個々の要素技術を組合せ、全体システムの開発を行うこととした。
(機関本体技術)
機関本体技術の確立を行うため、機関本体の評価・選定を行い既存の実用性・信頼性の高いスターリングエンジンとして、常圧燃焼仕様の複動型スワッシュプレート方式20kW型エンジン“ASE20S”(アイシン精機)を選定、一方、発電機としては、整流器付ブラシレス交流発電機である”PX-E30B2”(大洋電機)を選定し、それぞれ製作を行った。スターリングエンジンは既存のものということで常圧燃焼仕様のものであるため、これを高圧燃焼仕様に改造を行った。改造は、コンプレッサブロックおよびヒータ部について行った。

 

 

 

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